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無惨 蝉の幼虫
蝉が夜明け前に羽化するのはきっとその時間帯は鳥も小動物も活動が鈍り一番安全だからなのでしょう。蝉の幼虫は6年間もいた地中の穴から夜のうちに地上に出てきてはじめに触れた木や草などに登り好みの高さで留まると殻の背中が割れてまず頭を出しつぎに体を反らすように垂れ下がりながらお尻を残してほとんど殻を脱ぐとこんどは頭をもたげて起き上がり殻に6本の足をしっかりかけて体がすべて殻から抜け出るやいなやすぐに翅脈に体液を送り込みすっかり翅が伸びきるのをじっと待ちます。翅が伸びきるまでアブラゼミで1時間ほどだそうです。体が固まるまでにはさらに時間がかかります。そのあいだに襲われたら逃げることも隠れることもできません。
羽化に失敗して途中で死んでしまう幼虫もいます。頭がちゃんと抜けきらないまま羽化が止まってしまったアブラゼミの幼虫を庭のツツジで見たことがあります。殻がうまく裂けないまま途中で力尽きたようだと思いましたが半分だけ出ている頭と背中は膨れ上がり色も変わっていてずいぶん気味が悪い姿でした。
きのうのウォーキングでも太い木の幹で羽化の途中に死んだらしいニイニイゼミの幼虫を見付けました。それが無惨だったというのは幼虫にクロオオアリが何匹もたかってほとんど原型を留めないほどに食べられていたのです。
2026年7月18日 大乗寺丘陵公園
日本にいる蟻はまさか羽化途中の蝉を襲ったりはしないはずです。それともそうではなかったのか。いずれにしても嫌なものを見た気がしてきのう一日気分がすぐれませんでした。 2026年7月19日 虎本伸一(メキラ・シンエモン)
写真:虎本伸一
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